お金と生活の知恵、時々ふつうの30代

少しだけ金融に詳しい普通のサラリーマンが、お金や投資や生活について日々気付いたことをつぶやきます。

うちの子供の贈与・ジュニアNISAスキーム(4):ジュニアNISAを活用して積立投資

今回は「うちの子供の贈与・ジュニアNISAスキーム」の四回目です(一回目二回目三回目)。

実際に実行し始めているプランの骨子

  • 毎年年初に「金銭贈与契約書」を作成し、一定金額を贈与する(子供名義の銀行口座へ振り込み)→前回の記事
  • それを子供名義の証券口座へ移し、ジュニアNISA枠を活用し毎月積立投資する(2021~23年の3年間)→全てインデックスファンド:構成比はJ-REIT 10%、先進国株式45%、新興国株式45%
  • 2024年以降は現行のジュニアNISA廃止により新たな非課税枠はなくなるが、通常の積立投資を続ける
  • (予定)二十歳になったら、銀行・証券口座の実質的な管理権限を本人に移譲する

子供名義の証券口座からジュニアNISA口座を作る

まずは子供名義の証券口座の開設についてです。

これがなかなか煩雑でして、まずは親権者名義の証券口座が必要(なければ子供の口座と並行して開設することも可能)→子供名義の口座(未成年なので「未成年口座」と呼ばれる)を開設→更にそれと区別する形でジュニアNISA口座の申し込み(未成年口座と同時に手続き可能)、となります。

しかも、(証券会社による違いはあると思いますが)手続きは郵送だったり、住民票の写しのような公的な書類も必要だったり、親権者一人だったり子供が別居だったりすると手続き内容が微妙に違ったり・・となかなかややこしいので、事前の書類準備期間含めて1ヵ月程度は見ておいた方がよいと思います。この辺の詳しい流れは改めて次回書く予定です。

なお、未成年口座を開設するにあたっての楽天証券の「よくある質問(FAQ)」が割と詳しいのでよろしければご参照を。

ジュニアNISA枠を活用し毎月積立投資する(2021~23年の3年間)

一応、ジュニアNISAの概略を(これでも十分わかりやすいとは言えませんが・・)。

ジュニアNISA廃止に伴う変更点と留意点:3つのポイント | 節税しながら、資産形成しよう | マネクリ - お金を学び、マーケットを知り、未来を描く | マネックス証券

めでたくジュニアNISA口座を開くことができたら、いよいよそれを金融商品へ投資するステップです。

自分のお金の運用ではなく、子供の将来のための資金の運用ですので多少異なる部分はありますが、基本は自分の運用と似た考えに基づいて投資先の配分を決めました。ただし、あくまで子供のための将来資産の形成が目的なので、「儲けをより大きくすること」が目的になってしまうような、例えば個別株やもっとリスクの高い金融商品への投資、利益を確定するために高い頻度での売り買いが必要となる類の資産は投資対象から除外します。そのような投資は私の自己資金で行っているので、子供の資金とは完全に分けることが肝要と思います。

以前書いた、私自身の投資信託の投資先配分の決め方について(下記リンク):

 これと基本的な考え方は似ていて、大半は日本国外の株式指数に連動するインデックスファンドへの配分です。自分たちは日本在住ですので、国外を中心に投資することで世界の成長を取り込めることと日本没落リスクをヘッジ(回避)する意図があります。

日本へのエクスポージャーとしては、私は自分の投資では日本の個別株式投資を「リスク高め・投入労力多め・(期待する)リターンも高め」という位置付けで実行しています。しかし、子供の口座、ましてやNISAタイプの口座では個別の株の売買を繰り返すことはできません。ところが、日経平均のような日本の株式指数に連動するインデックスファンドは長期的に上昇する確度が高いとは思えないため、買う気にはなりませんでした。

そこで、日本の「不動産投資信託」(通称「リート」(REIT))のインデックスファンドを一部組み入れることにしました。この理由についてはほぼ勝間和代氏の受け売りですので、参考リンクを以下に貼ります。

積立投資の金額

ジュニアNISAは制度上2023年までで終了となりますが、通常の積立投資は非課税メリットはないものの子供名義の口座で継続して行うことは可能です。そこで、21~23年は贈与額100万円に対しジュニアNISA枠80万円をフルに使い、贈与の残額の20万円を通常の積立投資に振り向けることにしました。

2024年以降は現行のNISA制度各種(一般、つみたて、ジュニア)は刷新されて「新NISA」になりますが、残念ながら未成年が使えるNISAは消滅してしまいます。ですので、NISA制度を活用した非課税メリットのある積立投資はゼロになり、贈与額100万円はまるまる通常の積立投資に向かいます。

ジュニアNISAにしろ通常の積立投資にしろ、私はどちらでも買い付けが可能なインデックスファンドしか買うつもりはないので、区分としては「非課税メリットが取れるジュニアNISA口座」と「非課税メリットがない未成年口座」と異なるものの、それぞれで買い付ける金融商品は同じにする考えでいます。

このように、どの年も贈与金額100万円の全額を積立投資に向けて、贈与のうち現金で残るのは細かい端数を除けば原則ゼロにするつもりです。子供が日常で使う現金はお小遣いやお年玉と言った一般的な収入の範囲内でやりくりしてもらい、贈与は普段簡単に手を付けられるお金ではなく、長期目線の資産運用であるためのお金、と使途を区別したほうがメリハリがあってよいと考えるためです。

以下がこれを図説したものです。

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購入する投資信託と投資比率・積立金額内訳

以上を踏まえて、ジュニアNISA口座と未成年口座の両方を使い、以下の3つの金融商品に年間総額100万円(ジュニアNISA口座で80万円、未成年口座で20万円)を12ヵ月にわたって分割する形で積立投資をすることにしました。

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(※厳密には、2021年については諸事情により6月からの積立開始となってしまったので、7ヵ月に分割する形で金額を割っています)

 

3つのファンドのウェイトを考慮した最終的な国ごとの投資配分は以下のようになります。

合成国別投資比率

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同じものを円グラフにするとこうなります。

合成国別投資比率(円グラフ)

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国別構成比ランキングでは1位米国(32%)、2位中国(19%)、3位日本(10%)と3ヵ国で6割強を占めていることになりました。ちょうど、覇権争いをしている米中と、板挟みで存在感が空気のような日本・・ですね。

ちなみに、当初は3つのファンドの構成比を日本REIT 20%、先進国株式40%、新興国株式40%にしてみましたが、それだと構成比トップ3が米国(29%)、日本(20%)、中国(17%)となり、気持ち日本が多すぎでアメリカが少なすぎかな・・と感じたので、結局10%/45%/45%としました。まあ、この辺はお好みです。

2024年以降は現行のジュニアNISA廃止のため通常の積立投資を続ける方針

2021年~23年までの3ヵ年についてはジュニアNISA枠80万円/年を上記の通りに積立投資をしますが、制度としてのジュニアNISAは2023年いっぱいで廃止になります。すなわち、24年からは新たな年額80万円の枠はもらえなくなります。しかし、23年までに買い付けた投資信託は一定の手続きをすれば24年以降も中身はそのままで子供が18歳になるまで非課税の状態で運用することは可能です。なので、18歳になるまでの期間中に「今だ」と思うタイミングが来れば売却して譲渡益を確定させることもできますし、そのまま最後まで保有し続けることもできます。

2024年以降の新たな積み立て分については、全額(贈与する100万円)を非課税メリットはない普通の積立投資の形で同じ投資信託を買い続けるつもりです。

色々調べている中で、ジュニアNISAを使っていたものの2024年以降も当面未成年(18歳未満)となる人が利用できる新NISA制度はあるか?という疑問に対してはっきりとした説明がなかなか見つかりませんでした。答えは「ない」です。そのため、23年までにジュニアNISAで買い付けた金融商品はその後も保有し続けることはできるものの、新たな投資については非課税のようなメリットは特にない普通の積立投資をするしかない、ということになります。

(補足)積立投資の買い付け頻度

積立の頻度ですが、私が使っているマネックス証券では積立投資は「毎日(月間総額〇万円を日割りで毎日少額ずつ積み立てる)」と「毎月(月に一度の指定日に一ヵ月分まとめて買う)」のどちらかの方法で買えます。ジュニアNISAでは後者の設定にしています。

ジュニアNISAははっきりと「1年間(暦年)の上限は80万円まで」と決まっているので、できるだけそれに近い金額できっちり買いたいと考えます。しかし、「毎日」の設定にしていると、例えば年末の時期には投資信託の購入の指図をした日と、実際に自分のお金が出ていく日に数日のラグが発生してしまいます。すると、年内に買い付けをしても実際に資金が出ていくのは年明け(=翌年)となり、この分は翌年のジュニアNISA投資枠から引かれる、ということが起きます。すると、その年によって年間の営業日数(土日祝日の日繰り)の違いなどによって微妙に金額がずれる可能性があります。そういうことを避けるために、「毎月の特定日(それも月をまたいで資金が出ていくことがないように月の半ばくらいまでの日)に買い付ける」設定にしています。

(予定)二十歳になったら、銀行・証券口座の実質的な管理権限を本人に移譲する

 二十歳にもなればある程度独立した大人に成長しているだろうという想定のもと、この頃には銀行・証券口座とも管理権限を本人に移譲しようと思っています。

・・・と言いつつ、2022年4月から成人年齢が現行の20歳から18歳に引き下げられるようなので、2040年頃(遠いような近いような・・・)には「18歳からは大人という認識が当たり前」になっているかもしれません。そしたら18歳で権限移譲をするかもしれません。まあその辺はその頃になってまた考えます。

 

(余談)なぜジュニアNISAを使ったか

ネットの記事を色々読んでいると、利便性の低いジュニアNISAはあえて利用しない、という選択をした人が結構多数いらっしゃいました。

私自身はと言うと、子供のためのこの資金を当面現金化する必要はないであろうことを見越して、多少の手間があり、しかも3年間限定ではありますが、ジュニアNISAを利用することによる非課税メリットを取ることにしました。

2020年の税制改正で24年からのNISA制度の改正が発表されるまでは、ジュニアNISAでは「18歳までの引き出し制限」(18歳になるまでに引き出す場合はそれまでに受け取った配当金や譲渡益に遡及して課税されてしまう)というのがあり非常に使い勝手が悪かったのです。そのため、世の中一般としてはその制約は大きなデメリットと認識され、ジュニアNISAは不人気でした。

しかし2020年の改正により、24年以降はこの「引き出し制限」が撤廃されることになりました(※厳密には、払出しを行う場合は一部分だけの払い出しは不可で、保有している商品を全て払い出す必要があり、払い出し後はジュニアNISA口座自体が廃止されます。ただし従来のように課税はされません。)。これにより、主たるデメリットも消滅したことになります。そうとなれば、非課税メリットだけを純粋に享受できるので、21年~23年の3年間×80万円=合計240万円限定ではありますが、この制度を使うことにしました。

それでもジュニアNISAを利用しない人が挙げる理由には、

ジュニアNISAを利用しなくても子ども名義の未成年口座でいつでも投資はできる。しかも未成年口座なら損益通算(売却損が発生した時に、それを別の譲渡益と通算することで利益に対する税金を減らせる仕組み)ができるが、ジュニアNISA口座ではできない。投資は利益ばかりではなく損失が出ることもあるので、この仕組みを利用できる未成年口座を利用し、ジュニアNISA口座は利用しないことにした。

というのを見かけました。これに対する私の見解は、以下の通りです。

手続きな煩雑なジュニアNISA口座を使わずとも未成年口座で投資はできるし損益通算もできることは確かです。しかし、損益通算を使う=損が出ている状態で金融商品を売却をすることがある前提になりますが、私はそもそも長期で保有し続ける積立投資が目的なので、わざわざ損失が確定する売却をするつもりはありません。よって未成年口座で投資することのメリット(=損益通算ができること)は私にとっては特に魅力に感じませんでした。(無論、20年後にどうしても売却して現金化しないといけない、となった時に含み損の状態であれば損は理論上発生しますが、上記の投資信託に20年間積立投資をして、それでも含み損が出ているという可能性は極めて低いです。どうしてもそうなってしまった場合は、不運な人生だったと諦めます。)

 

まだ続きます(長い・・次で終わります)