お金と生活の知恵、時々ふつうの30代

少しだけ金融に詳しい普通のサラリーマンが、お金や投資や生活について日々気付いたことをつぶやきます。

楽して大きな投資リターンが得られそう・・と思うような勧誘や宣伝にはNOを

前回は、

  • 「自分は、実際のところ、どの程度投資に時間や集中力と言った「限られた資源」を割けるのか?」を十分自問自答し
  • 自分の投入労力と釣り合いの取れたリスクを持つ金融商品に投資するという視点を持ち
  • その上で最初はリスクが相対的に控えめなところから始めることを推奨する

という話をしました。

投資をする前に問うべきこと:「自分はどれだけの時間・労力・手間を投資に振り向けられるのか?」 - お金と生活の知恵、時々ふつうの30代

式っぽくすると、こんな風に:

投入労力「大」 ⇔ 自分のポートフォリオ全体として許容できる投資リスクも「大」

投入労力「小」 ⇔ 自分のポートフォリオ全体として許容できる投資リスクも「小」

そして、この原則に反するような投資への取り組み方はやめるべき、というのが今日の話です。

そもそも:投資における「絶対」「確実」「楽して」儲かるという話は眉唾もの

これは原則ではなく、鉄則です。投資とは未来の不確実性そのものなのに、「絶対儲かる」「確実に稼げる」「楽して殖やせる」などという文言は信用すべきではありません。

ここで、ヤフーファイナンスのような投資関連のウェブページを使っていると出てくる宣伝の一部を紹介しましょう:

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改めて眺めてみると、どれも非常に香ばしい宣伝文句で生温かい気持ちになりました。

一つ一つコメントしても仕方ないので、以下箇条書きに。

  1. 「簡単さ」をアピール
  2. 「これから上がる(今が買い時)の銘柄を教えてくれるとアピール
  3. 「この情報は当たる」ことをアピール

その前に、まず投資における鉄則をもう一つ。

多くの人が手に入れられる情報はすぐに陳腐化して価値がなくなる(それをもとに投資をしても成果は得られない)。すなわち、簡単に手に入るような情報は、「多くの他の人が既に入手している情報」なので投資の成果に結びつきにくい。

1.「簡単さ」をアピール:そこまで「簡単」だと知っていて、大きな投資の成果が得られるなら、不特定多数の人に親切に教えずに自分でその「簡単」な投資を実践して果実を得るのが合理的なはずなので、おかしい。

2.「これから上がる(今が買い時)の銘柄を教えてくれるとアピール:そこまで「これから上がる」と知っていて、以下同文

3.「この情報は当たる」ことをアピール:そこまで「この情報は当たる」以下同文

まあこんなところです(大体自明です)。そしてそれでも「簡単に」「当たる」情報を教えてくれるとしたら、それはそれ相応の見返りを得られると思っているからということで、その見返りを払うのはこういうのを信じてしまった人々になります。

楽して(=投入労力「小」)たくさん儲かる(=「大きな」リスクを取らないと本来得ることができない規模の儲け)ことはない。少なくとも継続的には

前述の式っぽいやつで言うと、

投入労力「小」 ⇔ 自分のポートフォリオ全体として許容できる投資リスクも「小」

を実践するのではなく、

投入労力は「小」だけどリスクは「大」=大して時間も労力も手間も掛けてないのにそれに見合わない大きな投資成果を(楽して)得ようとする

ということになります。まあ、大体失敗するか、あるいはカモられることになると思います。あるいは最初は甘い汁を吸わせてもらうけど後々それをはるかに上回る損をすることになるのでやめておいた方がよいです。

違うアプローチとして、この手のサービスに高い会費やらセミナー費やらを払った人が「これだけ高額なお金を払っているんだからきっとそれに見合う情報やリターンが得られるはず」と思いたい気持ちは理解できますが、それも多分カモにされてると思います。「サンク・コスト」てやつです。

(参考:サンク・コスト説明https://www.leadplus.net/blog/sunk-cost-and-business.html

そんなところです。