「積立投資」の大きなメリット: 「売り時を考える労力」を省けること
今回は、以前のこちらのエントリーのフォローアップです。
「自分は、実際のところ、どの程度投資に時間や集中力と言った「限られた資源」を割けるのか?」を十分自問自答して、ある程度レンジでもよいので答えを出してから投資は始めるべきだと思います。そして、最初から投入労力は大でOK、バンバンハイリスク商品に投資するぞ、というのはやめるべきで、自分に問うた上で最初はリスクが相対的に控えめなところから始めるべきと思います。
投入労力「大」 ⇔ 自分のポートフォリオ全体として許容できる投資リスクも「大」
投入労力「小」 ⇔ 自分のポートフォリオ全体として許容できる投資リスクも「小」
↑この辺りについての補足です。
「投入労力「小」」のもう一つ大切なポイント:「売り時を考える労力」
こちらのエントリーを書いた時は、主に「金融商品を選び、購入するまで」の「投入労力」について書いていました。
しかし、もう一つ同じくらい「労力」(や手間)がかかること・・それは、買ったあとの「売り時を考える労力」です。
いや、買うときはいい。買うときは、将来値上がりするかもしれない、保有していれば配当(分配金)がもらえる、優待ももらえる、と言った具合に、クリスマスやお誕生日を前に楽しみで仕方ない子供のように前向きな気持ちでいることも多いです。
しかし、売り時を考えるのはなかなか大変で、迷ったり悩んだりすることも多いです(と言うか、はっきりとした定量的な「売却ルール」を設定していなければ大抵は多かれ少なかれ悩みます)。売るタイミングについては、(↓にリンクしている過去の投稿にもあるように)、売ってその後もっと値上がりをすれば売ったことを後悔し、売らずにその後下がり続けても当然後悔します。ですので、これをいちいち考えなくてもよいというのは、心労・手間の削減という意味で非常に大きいです。
しかし、これは十分に認識されているとは到底言えません。特に投資・資産運用初心者に対してはほとんど説明がなされていないと思います。それどころか「株 売り時」とグーグル検索すると山ほどヒットが出てくることからも分かるように、みなどのようにして売れば良いかをばかり一生懸命考えている様子がうかがえます。だからこそ、
- 売り時をいちいち考えなくてもよいということは非常に大きな強みであり、精神的負担・金銭的損失の回避につながる
- 故に「続けること(やめないこと)」がカギである積立投資は「投入労力「小」」の初心者には向いている
- そして(投資を続けていれば必ず訪れる)下落局面でも狼狽して売ってしまおうか・やめてしまおうかと悩む必要がなくなる
ということへの理解をいただけるように丁寧に説明を続けないといけないと思います。
(再掲)「安く買って高く売ればいい」の実践は難しい
「積立投資はやめなさい、安く買って高く売れば良い」は実践がとても難しい - お金と生活の知恵、時々ふつうの30代 からの再掲になります。
以下のケース1、ケース2は同じ会社の異なる時期の株価のチャートで、ここから上がったか・下がったか、グラフを見ただけで(大して悩まずに)自信をもって答えられますか?
ケース1
ケース2
これは特定の株の価格推移チャートですが、投資信託でも同じで、このような場面で保有を継続するか、売却をするかの意思決定をするのはなかなか精神に堪えます(大幅に値上がりした後だとなおのこと)。しかし10年20年タームで積立を継続する運用方法であればそのような悩みから解放されます(そして大きな損失を確定させてしまったりということも避けられます)。
さて、下には種明かしです。
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おしまい