お金と生活の知恵、時々ふつうの30代

少しだけ金融に詳しい普通のサラリーマンが、お金や投資や生活について日々気付いたことをつぶやきます。

「リスクヘッジ」という概念を日常に浸透させたい

前回までのシリーズもの(うちの子供の贈与・ジュニアNISAスキーム:全5回)でちょっと息切れしてしまってしばらく時間が空いてしまいました。中身はともかくこういうのを毎日のように続けている人は本当にそれだけですごいと思います。

 

今回はちょっと趣向を変えて、「リスクをヘッジする」ことについての雑感です。

最近この金融ブログ絡みで色々な人たちのツイッターやブログを拝見していて、リスクをヘッジするという概念をあまり持ち合わせていない人も一定数いらっしゃるなーと感じていました。思ったのは、「ものごとがどちらに転ぶかは分からない中、『良い方に一方的にベットする』のではなく、ある程度同時に・常に良い側にもそうならなかった場合の側にも張る」という概念が薄いんだなーということでした。

頭では「過去の実績は将来を保証するものではない」と知りつつも、結局は「過去の実績が将来の実績にもつながる」と思い込んでいる節があると思います。

資産運用にしても人生の幸福にしても、理想は「最大化」ですが、「悪いシナリオに思い切り振れることをなんとしても避ける」ための準備を常にしておくことも大事で、その策を講じた上で資産にしろ幸福度にしろ「より大きく」すべく努力をすべきと個人的には思います。「最大化できるかもしれないけど、最悪シナリオになる可能性も相応にある」状態に自分を置いてしまわぬよう、潰せるリスクは潰し、ヘッジできるリスクはヘッジすべきだと思います。

 

さて、「ヘッジ」(リスクヘッジ)とは、本来は金融商品先物取引に応用されているかなり専門的な意味合いですが、我々の日常生活においての概念としての「ヘッジする」とは、シンプルにはリスクを軽減するために行う行為、と考えればよいです。

リスクとは完全になくしたり避けたりすることはできないので、あくまで「軽減する」のですが、それでも措置を取ると取らないでは随分違ってくるものです。

ヘッジの方向性

自分の日常生活において、リスクを軽減するために取れる行為の方向性は大雑把に分類できそうです。

  1. 分散する(種類、時間軸)
  2. 逆方向と組み合わせる

 

1.分散する(種類、時間軸)

より馴染みがありそうなこちらから説明します。

何かを「分散する」ことで、リスクを和らげることです。

資産運用で言えば、鉄板の「投資先の分散→特定の個別株への集中投資ではなくインデックスファンドを買うこと」、「時間軸の分散→一気に資金を投資するのではなくドルコスト平均法で時間的に分散して投資すること」が好例です。

しかし、もう少し日常生活へ範囲を広げて考えてみると、

夫婦の職業:私は比較的ハイリスクの虚業外資系金融専門職(一般的には大してつぶしがきかない)、妻は比較的ローリスクな実業(ニーズの高い具体的なスキルあり)

 ⇒職業・スキルのベクトルが全く異なるので、同時に失職するリスクが低い

(半分冗談半分本気ですが、私の業界で「夫婦揃って外資金融の営業職」とかだったりすると、「それ全然リスクヘッジできてないね、金融不況がきたら二人同時にとぶ(リストラに遭う)可能性あるもんなあ」などとよく話してます。当事者とも。)

とか、

家事:夫と妻で家事は「分業制」ではなく、「得意不得意はありつつも、それぞれが大体どの家事も満遍なくできるようにする」

 ⇒不測の事態が起きたり相手が何かしらの理由で家事ができなくなってももう一人がカバーすれば家庭の機能不全を回避できる

(これは完全な個人の考え(偏見?)ですが、「家のことは私が全部やるからあなたはお仕事頑張って♪」とか「カネは俺がしっかり稼ぐから、家のことは嫁よ全部頼んだ!」などという昭和スタイルの価値観をお持ちの人は、現代においては単に全くリスクヘッジができていない(そもそもリスクの概念すら理解していない)非常に心配な人たち、と私の中では静かにレッテルを貼られています。)

これもある種の「リスクヘッジ」(分散系)だと考えます。

 

2.逆方向と組み合わせる

こちらもまず資産運用で分かりやすい例があります。

資産運用①:日本の株式(円建て=為替リスクなし)と海外の株式インデックスファンド(円建て=元が外貨建てのものを円建てで買っている=為替リスクを取っている)を両方保有する

 ⇒円高・円安どちらに転んでもお互いをカバーできる(どちらかは損をするがどちらかは得をする)

資産運用②:日本没落リスクをヘッジするために、日本没落の際には日本を出し抜く当事者となろう国々の資産を保有する

 ⇒新興国株式インデックスファンドを通じてアジア諸国の株式を保有する

 

 

いずれも「Aとその逆側に位置する別のB」を同時に保有します。

 

日常生活での例では、・・うーんすぐに浮かびませんでした。あ、食料品の買い物をする際は「格安スーパー」と「お肉の専門店」を両方使うことで価格・味(満足度)のメリハリやバランスを取る!とか。まあこれは別に危機的な状況に対する「ヘッジ」ではありませんが。。また思いついたらおいおい!

まあしかし、大事なのは「とにかくいい方向に行くためだけの一方向の施策・努力のみをする」のではなく、一程度の「最悪シナリオだけはしっかり回避できるようにするための策を常時講じた状態にしておく」という考え方をあらゆるところで取り入れることだと思っています。

 

今日は適当ですがこれでおしまいです(ブログは続けることが大事!)